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本末転倒の米主導 沖縄の負担軽減、作業部会設置へ 無為無策にしびれ切らす

配信元:産経新聞

2010/10/04 01:39更新

 米政府が5月の日米共同声明に明記した沖縄の負担軽減策に関する作業部会を設置するよう要求してきたことが3日、分かった。複数の政府筋が明らかにした。負担軽減策は米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題で地元同意を得るためのテコであり、本来であれば日本政府が主導すべき課題。菅直人内閣の無為無策に業を煮やした米側が具体化を迫るという本末転倒の構図となった。
 負担軽減のための日米協議は、同盟深化に向けた協議の前提となり、停滞は日米の溝をますます広げることになりかねない。

 作業部会設置について日本側は、在沖米軍の訓練移転拡充などは早期に実現する必要があるとして前向きに検討している。4、5両日にワシントンで開く日米審議官級協議で作業部会の枠組みや進め方について詳細を詰める。

 作業部会設置が想定されるのは、(1)訓練移転拡充(2)基地の共同使用(3)米軍嘉手納基地の騒音軽減(4)環境−などの項目。

 「基地の共同使用」を進めれば、米軍と地元との関係を円滑化できる。米軍基地を日米共同管理や日本側管理に移行させることにより地元住民の安心感が高まるからだ。

 懸案の沖縄県名護市辺野古(へのこ)に建設予定の普天間飛行場代替施設について、日本側は日米共同管理としたい意向だが、米側は海兵隊の運用が制約されることを嫌い難色を示している。

 「嘉手納基地騒音軽減」は地元の要望が強く、日本側は基地の常駐機ではなく国内外から飛来する外来機を制限するよう求める。

 「環境」の項目には、米軍から返還される土地に環境調査のため事前に立ち入りできるという地元のメリットがある。一方、米側には基地のエコ対策を名目に在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を大幅に増額させたいとの思惑がにじむ。

 負担軽減をめぐり、政府は9月10日、沖縄県側と沖縄政策協議会を5年半ぶりに再開したが、その後途絶えている。

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