「祝い事自粛したい」=結婚式延期、花見低調―CMも激減・東日本大震災

時事通信 3月30日(水)5時23分配信
 東日本大震災の後、国民や企業の間に自粛ムードが広がっている。歓送迎会の中止にとどまらず、結婚式の延期も続出。企業CMも大幅に減った。
 人気の結婚式場「八芳園」(東京都港区)では、挙式や披露宴の延期が60件超に上った。東北に住む来賓が被災したなど直接関係する理由もあったが、半分以上は「こういう時期に祝い事は自粛したい」。中止になった3、4件も含め、特別に無償で応じたという。
 弁当やオードブルを配達している「エブリィ」(荒川区)。卒業式の謝恩会や歓送迎会用の約300人分の予約が全て取り消された。「派手なことは控えたい」「電車が動かず人が集まらない」などの理由で、「入社式をやめた」も。花見で最も忙しい時期のはずが、予約は例年の1割に満たない。
 都も、花見の名所として知られる上野公園などで宴会の自粛を求めており、石原慎太郎知事は「一杯飲んで歓談する状況じゃない」としている。
 関東地方で約500店の居酒屋を展開する「モンテローザ」(武蔵野市)でも、震災後に売上高が2、3割減少。大阪や名古屋などで居酒屋チェーン店を経営する「マルシェ」(大阪市阿倍野区)は「地震翌日から団体客のキャンセルが相次いだ」といい、前年比で約3%の売り上げ減が続く。
 テレビのCMも様変わりした。CM総合研究所(東京都港区)によると、在京の民放キー局は14日夕までにCMを再開したが、広告主が自粛を要請。思いやりやあいさつなどをテーマにした公共広告をつくるACジャパンのCMが激増し、16日早朝までに放送された8173回の77%を占めた。最近は通常のCM が戻りつつあるが、同研究所は「様子見の会社も多い」としている。