島国根性

 日本中が戦争ムードに向かって流されている。それにあらがう物質がみられないのである。見られないというのは、ないことにはならないのはもちろんだが、あればいずれは見えてくるはずである。過去の日中戦争のときもそうであった。個々の人間の頭の中には、軍人も含めて、やるまい、あるいはここでストップしようなどという観念もあったようだが、ストッブをかける「物」は生じなかった。ミサイル基地を攻撃せよとか、いよいよ制裁だとか、朝鮮でクーデターだとか、イラク戦争前と同じような言動がとびかっている。物質の運動を止められるのは、物質だけである。

 あるMLでの発言に、次のようなことが書いてあったが、同感である。MLの性格は半公開のものなので、そのままではありませんが。

 横田めぐみさんが生きていることを前提にした制裁一本やりの運動は、おかしく見える。英男氏がめぐみさん自殺の記者会見をした時には日本メディアはこれでは日本もいよいよ決定的な証拠を出さなければならないなどこれみよがしに何かあるように流れていたが何も出なかった。家族の気持ちを政治的に利用しているだけではないのか。

 朝鮮のミサイル実験は毎年のように行われているが多くは問題にされていない。アメリカも自国の領土に達するかもしれないテポドン以外は問題ではないといっている。事前に通告してあれば、問題になるようなものではないとは他国も認めている。そもそも、日本のような軍隊をもたないといっている国がやるなら問題だが、軍隊も武器ももつ国が武器のテストを行うのはアメリカでもイギリスでもやっていること。(着弾点も日本近くというよりは、ロシア近くが多い)核兵器や毒ガス兵器のように特別の協定があってたががはまっているもの以外、外国政府があれこれ言うのは内政干渉である。

 《菅井註 たとえば日本政府の次のような対応がそれに当たる。
   政府は「特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法」にもとづく措置として、万景峰号の入港を半年間禁止することを決めた。これを受けて、新潟県はその日新潟に入港予定だった万景峰号の岸壁使用許可を取り消した》


 朝鮮の、毎年やられても問題にされていないノドンとかのミサイルが米軍基地のある日本にも向けられているのは本当なので、だからこそ、その危険を解消するために小泉はわざわざ朝鮮まででかけていって、平和条約へむけての努力を開始したのではないか。
 日朝平壌宣言のミサイル発射実験をひかえることには、確かに反しているが、日本はすでに宣言の精神をほごにしているのではないか。

 竹島問題も帰属がきまっていないのに世論誘導している。

 日本人は島国根性だから、だめなのだ。

 島国根性ということばを久しぶりに目にした。うまいコトパである。排外主義と権威主義に流されやすいということだ。その結実したものが、現代の「愛国」心、「尊皇攘夷」思想である。