第五回討論会を終えて

 菅井が若い頃、ファーストガンダムが始まりました。菅井は途中からそれを見ましたので、なぜ若者たちがホワイトベース(宇宙航空母艦)に乗って戦闘しながら移動しているのか、わかりませんでしたが、それまで見ていたロボットアニメよりはリアルだとはおもい、興味を持ちました。出てくる人間は、おかれた絶望的な状況の中で、人間の努力をやめません。現状を変えるとは言えず、重要な登場人物があっさり命を落としたりしてつらかったけれど、でも、とにかく多くがけんめいに生き続けようとします。
 未来少年コナンはその原作も読みましたが、それと比較すると、アニメはとても純粋で楽観的だなと思いました。宮崎さんの生き生きとしたところがよく出ていました。ギガントは恐ろしい兵器でしたが、でも、コナンはそれらを乗り越えてしまいます。コナンはスーパーマンだなと思いました。
 それに対して、ガンダムの後に始まったイデオンは、暗いものでした。皆の懸命な努力、敵対種族の二人の愛にもかかわらず、イデの力に翻弄され、運命(滅び)に向かって、最後は一瀉千里に下ってしまいます。ラストは若い菅井には何の救いもないものにしか感じられませんでした。世界は滅びの運命に支配されている、そんな気がしてしまいました。イデオンにはもちろん、続編はありません。
 この3つの作品を、菅井はコナン・ワールド ガンダム・ワールド イデオン・ワールドと呼んで、自分はガンダム・ワールドの住人だと思い、また時に、言い聞かせたものでした。ガンダム・シリーズはその後、主人公も変わり、絶対の救いも訪れないわけですが、初発の人間の努力を肯定する姿勢は弱まったりもするのですが、基本的に全ガンダムシリーズの底にあると思います。
 戦争シーンにはアレルギーのある菅井は、後継シリーズの熱心なファンではありません。でも世界観といえばガンダムになります。でも、菅井の中にイデオン・ワールドやコナンワールドも傾向として頭をもたげないわけではありません。
 菅井も乗っているこの世界は、ホワイト・ベースなのだろうか、それとも、イデの力が・・・そんなことを思いながら、ガンダムワールドの一員として生きている、菅井の立ち位置はそんなところです。