無断リンク断想

 他人のサイトにある画像へ直接リンクすることによって画像を表示することが悪いと認める人が、
他人のサイトに無許可で直接リンクすることを
インターネットの技術の特質(ハイパーリンク)を理由にして自由であり、かまわないと主張することは矛盾している。
技術のしくみから言えば、後者がかまわないのなら、前者もかまわないはずである。
反対に、前者がいけないのなら、後者にだってよくない場合があって何の不思議もないのである。

とりわけ、相手がそれを拒んでいるのに、いやがらせのように直接リンクをしたりすることはできないし、それをこばむこと自体が悪いことであるようにいうことは、できない。

最近、はてなのあるブログで紹介されたテレビ番組で講師が述べているように、そもそも技術を根拠にして、こうした道徳の問題を論ずることはまちがいなのである。

逆にどのような質の人間関係をつくるべきかがあらかじめあって、それにふさわしい技術的な手段がなければつくる、ということであるべきなのだ。

技術の現状(これは変えうる)や、ハイパーリンクのような技術の本性(これは正しいが、問題にされている水準とは実は関係がない)をもとにして、何々すべしという道徳を論ずることは、「実証主義」といって、哲学的には有名な誤謬論理である。


一年程前の孤高さんとのトラックバックをめぐるいさかいを思い出しつつ、これを書いている。