池内ひろ美さんブログのこと

1月11日
 池内ひろ美さんのブログが職業差別をしているとしてネット上で批判され、炎上状態になったそうだ。その過程で、池内氏に脅迫めいた書き込みをした男性が逮捕され池内ブログは閉じる旨のコメントのみを残して閉鎖。脅迫で危険な事態があるかもしれないと怖れた池内氏が、自身の教養講座を自分から中止したのが、威力業務妨害ということらしい。
 この事件の場合、池内氏の発言は、酒の席で池内氏を含むセレプ(?)の女性グルーブをナンパしよう(?)とした期間工の男性グループにひじてつをくらわしたと言うことなのだろう。身の程知らずめ、といったわけである。昔だったら、この2つのグループは交わる事はなかった。社長様は社長さまの世界、賃労働者は賃労働者の世界と分かれていた。古典的なマンガにありがちだったパターンは、貧しい主人公がお金持ちのお嬢様(自分では働かず、貧しいものにもやさしかったりする、あるいはきびしい)にあこがれ、悲劇の恋をするものだが、その時代からすると、社会の平等化は進んだのだ。たやすく声はかけられ、「僕たちも金持ちになりたいんだけど、どうしたらいいんでしょう」と水平に話にさえなる。セレブも、昔のお嬢さんのような優雅で暇人ではなく、戦闘的な企業家である。起業やキャリアのアップの相談に載るなどという姿勢ではなく、「あんたたちみたいな臨時雇いなのに酒飲んでるようなのは、雇われる資格なし。あなたに年300万も出してる会社は無駄遣い。」てなことを言い放つ。賃労働者が貧乏なのは、なまけものだから、というのは、よくあるブルジョアの物の見方だ。
 ここで生じたことは、ささやかな「階級闘争」である。池内ひろ美さんが期間工氏を雇っている企業名を公表したブログ記事も、その後の批判意見の殺到も、池内氏の何が悪い、という対応、その後のぶれも、2チャンネルの反応もそうだ。
 池内氏はブログを閉鎖し、賃労働者側は、言葉の過激派一名が逮捕された、つまりは国家の介入。そして、めいめいは自身の立ち位置の確認。



以下は引用。

<ネット脅迫>掲示板で家族評論家を攻撃 東京の会社員逮捕
                     2月27日20時31分配信 毎日新聞
 インターネットの掲示板「2ちゃんねる」に評論家の池内ひろ美さん(45)を脅す内容の書き込みをし、池内さんの講座を中止に追い込んだとして警視庁捜査1課と目白署は27日、東京都日野市三沢1、会社員(45)を脅迫と威力業務妨害容疑で逮捕した。「(ブログの内容が)批判されているのに謝罪しないので腹が立った」と供述している。
 調べでは、容疑者は昨年12月20日、自宅のパソコンから「一気にかたをつけるのには、文化センターを血で染め上げることです」「教室に灯油をぶちまき 火をつければ あっさり終了」などと2ちゃんねるに書き込み、池内さんを脅迫。同日午後に名古屋市内の文化センターで予定されていた池内さんの教養講座を中止させた疑い。
 池内さんは「夫婦・家族問題評論家」。昨年10月、自らのブログで、居酒屋で居合わせた男性客との会話を紹介。この中に「差別的な表現があった」と一部ネット上で指摘されていた。
 毎日新聞の取材に対し、池内さんは講座を中止した理由を「参加者に何かあったら取り返しがつかない」と説明。「ネット上で議論するのは結構だが、匿名で脅迫するのは許せない。詳しい動機は分からないが、私のブログが発端でこのような事件が起きたことは大変遺憾」と話した。【鈴木泰広、佐々木洋】