なぜ君が代は歌われず、日の丸は掲げられないのか?

2月4日

 それは、これらが「大日本帝国」の国歌と国旗だからであり、今は「日本国」であって大日本帝国ではないからである。日本国の出発においては、これらは国歌でも国旗でもなかった。日の丸・君が代を国旗、国歌とする法律はいつできたか? なんと、1999年である。大日本帝国が滅んで50年以上経ったのちである。日本国国民は、50年以上国歌と国旗をもたなかった。50年もたってから、日本国国民は、今は存在しない旧「大日本帝国」の国旗と国歌をおしつけられることになった。誰がそれをしたか? 大日本帝国は悪くなかった、日本国はアメリカの押しつけた秩序であり正当性はないという勢力である。確かに、手続き的には国会で採決されている。だが、その中味となりたちは、日本国の国歌、国旗たる資格をそもそも欠いている。
 君が代は、絶対主義天皇制(国体)のために自分の命をなげうって尽くせという歌である。日の丸は、一億の国民が一つになって(戦争でも侵略でも)突き進めという意味をもった旗である。そのように使われ、今に至るもそういう記号として機能している。言葉にして語られることはなくとも、君が代、日の丸自体が象徴(言葉)なのだから、それ以上音声や文字にする必要はないのである。
 日本国は、基本的人権を尊重し、個々人の幸せのために存在する国家である。50年以上国民はその国家のもとでそうやってきたのである。それと君が代、日の丸は矛盾している。歌いたくない人がいて当たり前、頭を下げないぞと言っても当たり前なのだ。
 面と向かって拒否しない、できない子供たちの間でも、君が代や日の丸では盛り上がれない。その感覚がわからない政治家たちが、理屈を並べて強要しているが、拒否する人がいるうちがましなのである。