原爆投下を裁く 国際民衆法廷 米国に有罪宣告 広島


 広島市中区の平和記念資料館地下メモリアルホールで十六日、原爆投下を裁く国際民衆法廷の判決公判があり、レノックス・ハインズ裁判長(米国ラトガーズ大法学部教授・国際法)は、アメリカ政府と原爆投下当時の大統領や政府閣僚、開発した科学者、投下を実行した軍人など十五人に有罪を宣告しました。

 同ホールで昨年七月十五、十六の両日に開かれた同法廷が有罪とした判決要旨を、ハインズ裁判長らが一年がかりで文章化。判決文はアメリカ政府に対して、原爆投下が国際法違反であることを公的に認め、犠牲者と遺族に謝罪と補償をするよう勧告しています。

 開廷にあたって、同法廷実行委員会共同代表の田中利幸広島市立大教授は「民衆法廷なので法的拘束力はないが、法的正当性には何ら不備がない。アメリカ政府が真摯(しんし)に耳を傾けることが、核兵器廃絶への一歩であると信じる」と報告しました。

 法廷には約三百人が参加し、アメリカのブッシュ大統領あてに勧告内容を忠実、誠実に実行するよう求めるアピールを採択。被爆者を代表して、日本被団協坪井直代表委員が判決文を受け取りました。その後「判決の意義と今後の核兵器廃絶運動」をテーマにした記念シンポジウムを開きました。


追加
 菅井日記も入っている改憲問題リンクの管理人である人工楽園さんのページで、
日本が、2002年7月に条約が発効し、翌3月に開所した国際刑事裁判所の、105か国目の加盟国として今年7月17日に加わったことが紹介されています。
 このことについての専門ページ(国際刑事裁判所と日本)によれば、
国際刑事裁判所(ICC)の設立構想は、半世紀以上も前、国際連合の設立当初から存在していました。第2次世界大戦後のニュールンべルグ国際軍事裁判と極東国際軍事裁判の経験を踏まえ、国際社会が常設の国際法廷を設置して将来の大量虐殺や侵略の発生を抑止するのを目的に構想が着手されていたのです。しかし、東西冷戦によって数十年にわたりこの構想は凍結、冷戦後ようやく実現したものだということです。
 菅井も人工楽園さんと同じに、日本の加入を祝いたいと思います。世界が国と国との権謀術作、力がすべて、という時代を終らせるため、憲法9条が生きて働く時代になる上で、歓迎すべきことだと思います。
 ちなみに、大国では、中国ロシアは参加を検討中、反対しているのは残念ですが、アメリカ、インドなのだそうです。