ベーシックインカム(基本的保障)の導入を

 ベーシックインカムというしくみに興味がある。社会の成員に、労働の対価としてではなく、基本的な保障として、一定の収入、社会的便益(一定までの交通、通信の無料による利用など)を保障するというものである。これが導入されれば、年金の問題は解決してしまう。現代的貧困の問題もまた解決する。日本国憲法25条にある「すべての人々は健康で文化的な最低限度の生活を保障される」という生存権を積極的に実現するものといえる。
 日本でそれを全国民に実現するとしたら、大量の低賃金外国人労働者をつかう仕組みになりつつある今後、かれらとの間に格差がおこってしまう。また、それに必要な税金の高さで、大企業や金持ちたちは海外に逃亡すると言われる。また、そのベーシックインカムを導入していない国、というか、国民の福祉などかえりみない国、アメリカなどの企業の方が国際競争力が高くなり、自由貿易ではつぶれてしまう。
 いろいろな問題が考えられる。
 しかし、今のままで、日本の未来はない。アメリカについていくしかないとあきらめて怨嗟をつのらせていくよりは、はるかに見込みがあるのではないか。
 年金問題は、制度は昔のまま支払っているが、支払いの原資にするために皆から集めた金は、国が他の用途に使ってしまってもうないということが一番の問題なのである。それで、税金をふやして、なんとかていさいだけ維持して支払いを続け、責任官庁をつぶしてしまい、民営化、あとは野となれ山となれ、これが自民党のいっている「おまかせ下さい」であり、その同じ土俵で民主党をはじめとする野党も議論しているのである。
だが、もうすでに破綻し、責任を負う官庁もなくしてしまうというのであれば、新たに、国民すべての生存権を保障する全うな仕組みを創出したほうがいいのではないか。

ベーシックインカムについて、たとえばネットに次のような解説がある。
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/d/b03003.htm