天木氏は、ブログ上で小沢氏に対し、テロ特措法反対を主張したうえで、最終的にはみとめる決断をするのがよいとアドバイス

をし、9条原理派内の批判を引き起こしている。国民のアメリカからの自立世論が弱い現在で、テロ特ソ法絶対反対で折れないことは、民主党の人気をおとし、政治転換を遠ざけるという主張。国民の独立意識を高めることこそ第一で、テロ特別措置法反対もそのためにあるので絶対ではない。
 現実をふまえた政治的判断を天木氏にはじめて見た気がする。条件のないところで、はねて組織を破壊してはならないというのは、レーニンをはじめ、共産主義者の根本教条であり、極左派から、理想をもたない組織維持にきゅうきゅうとする会社の社長みたいだ、と論難されつづけてきた。
 天木氏のこの発言は、天木氏が、諸民の先頭に立つ「現実」政治家(前衛というのはそういうことだ。他の人が思っていないことをまっさきに、主張し、人々を変えて行く)に生れかわりつつあることを示すのか、彼もまた、凡百の日和見主義者と同じで、結局はアメリカ従属から抜け出す能力のなかったことを示しているのか、をはかる、きわめて重要な出来事だと思う。
 諸兄よ、大いに批判をするがいい。それが、政治屋ばかりの日本で、天木氏を久し振りのまともな政治家に育てるとともに、平和勢力を大きく、しっかりと団結させることになる。今の民族独立の要は、アメリカからの独立であって、中朝韓からのそれは主ではない。
だが、そのことを自覚することは、自分達が長らく奴隷であったと認めるに等しく、ネットウヨクのちんけな自己欺瞞を粉砕するばかりか、自由と平和の夢の中に今もたたずんでいる大部分の日本人にとってもとうてい認めがたいことなのだ。