わかりやすいことこの上なしの政治

最初、日本の政治がアメリカのゆうなりになっていると言われたとき、アメリカの要請との内容の一致は指摘されたが、たまたまでないと言うことは言えず、ありそうな仮説にすぎないものだった。その後、それはあれもそう、これもそうと、だんだん信頼性の増した命題、法則となっていったが、まだ、科学的理論にすぎないといえばそうだった。
だが、この間の 福田内閣の外交は、それを完全に実証した。今回の朝鮮との手打ち、転換には、日本の国家、国内の事情からすれば、内発的なものはない。今までのことなら、日本が自主的に考えて、それを選んでいると強弁することは可能だったが、今度ばかりは誰もそう言えない。アメリカの対朝鮮方針転換が日本国家の朝鮮との拉致問題、制裁問題の方針転換を強いたことはどうみたってそうである。日本内の利害や意見の相違がどうであろうと、アメリカの意思で日本の外交は決まっているのだということは、もはや誰にも疑うことはできないだろう。