「世に倦む日々」氏の大事な提起

6/15

菅井の日記を読んでもらうと、「世に倦む日々」という政治ブログには、批判的であることがわかるはずだ。何度かとりあげたことがある。彼は、基本的に「反動的」なのだ。もちろんその批判は、菅井の姿勢もまた、同じかそれ以下にたちが悪いかもしれない、ということも含んでいる。
だが、「反動的」な立場からではあるが、本質的な問題を人より先んじて指摘することがある点では際立っていることも本当だ。
きょうの「世に倦む日々」のコラムはそれである。

日本の経済の失墜状況を指摘し、それを所与として、イデオロギーを組み立てている支配者たちにたいして、


「すなわち、問題は、他の国は一般的な成長を達成しているのに、なぜ日本だけが没落しているのか、何が日本の順調な成長を阻んでいるのかという構造的要因を究明することである。」》「もう昔のような右肩上がりの成長はない」6/14より


これはきわめて重要な提起である。

もし、「世に倦む日々」にその究明ができないとしても、(私の予想では多分できない。この記事の分析では足りない。構造的分析を通り越して、ケインズ政策という代案提案へと移動してしまっている。それをもし彼がなすなら、私の彼に対する「反動的」という評価は撤回しなければならないのだが。)この問題をさきがけて指摘した功績はまちがいなく彼のものである。
「もう昔のような右肩上がりの成長はない」という決まり文句が欺瞞であることをはっきりとしめさなければならない。