オランダ正月に正月を模する

オランダ正月に正月を模する

日本でお正月といったら、西暦というイメージになってしまい久しい。西暦正月は、幕末の蘭学関係者が祝いはじめたオランダ正月に端を発する。もともと、西欧に学ぼうという日である。
薩長による明治維新政府が暦を西暦に変え、今までの正月は旧正月ということになって、新旧二つの正月が長く併存する時期が続いた。そして、地方破壊の今になって、「新正月」が正月の名を独占するに至った。
初詣をはじめとする多くの「正月」行事は、明治以降、「新」正月になってはじめて生じたものである。
もちろん、本来の((旧」)正月は、地域によりさまざまではあったが、よりシンプルで精神の明確なものだった。
新正月の行事を形式的になぞることでは、正月のもつ本来の精神に触れることはできない。国家主義の精神を学んでいるにすぎない。
日本人なのに、明治維新国家に由来する近代主義に毒されて、日本人の精神を見失ってしまうことは、残念なことである。
ネット右翼などは、日本の文化、伝承を、「皇室」「大東亜戦争」、「核兵器保持」、嫌韓・中を叫ぶことと勘違いして、今では、放射能に汚染された国土をもたらしても恥じず、原発は必要、核兵器をもつためにも必要と、連呼するばかりである。日本の国土を放射能汚染により半永久的に失って「愛国」とは、おかしな言いようである。

菅井の場合、日本の文化伝承にうとい、と気付かされたのは、かなりの年になってからだった。それは意識的に学び、活かしていかなければ、残りはしない。若い人も、はやくそれに気づくべきである。

正月とは、とりあえずは、ごちそうをおなかいっぱい食べることなのだが、あなたは、おなかいっぱい食べましたか?