国債とお金

お金(かね)といえば、それに対応する金(きん)を保有しているというのが、もともとの姿。金本位制といい、きちんと機能していた時には、お金はいつだも金の塊と交換してもらうことができた。それがその国の中央銀行の意義だ。

だが、金本位制はたてまえで、くずれてしまった。金との交換もできなくなっている。

政府は長らく赤字でやっていけないといってきた。国債を出さないわけにはいかないが、それは借金だから、借金はますますつのるばかり、破産寸前であると。

ところが、安倍内閣のリフレ路線である。アベノミクスと呼ばれているらしい。

国債をばんばん出して国の土木建築(いわゆる公共事業)をどんどんやるらしい。国債は、日銀が新たに刷ったお札で日銀が買う。ということらしい。

これができるのなら、税金を苦労して収めなくてもよいような気がする。日銀がお札を刷って、そのお金を政府が使って、仕事をすればよいのだ。国債は、社会の状況を観て、必要な時、必要な程度に国民に放出、売ればよい。

今のところ、国債はほとんど国民がもっている。ということは、外資に支配される必要もない。この有利さは、たぶんTPPに加入すると消えてしまう。通貨発行や、国債発行の完全な自由は日本国に残らないのではないか。TPPは結局は他国をアメリカに経済併合することだ。

アメリカと合併を覚悟するなら、TPPもあるだろう。だが、いわずと知れたアメリカは世界一の軍事大国である。今でも、言う事を聞かずにおれないのなら、TPPに入れば、今でも自衛隊は米軍の指揮下になっているが、政府や公的機関まで、そうなるに決まっている。ましてや、独立など至難の技である。

大きくいえば、日本は、日韓併合の朝鮮と同じになってしまうということだ。第二次大戦の日本敗北がなければ、朝鮮の独立はありえなかっただろう。
日韓併合が合法であり、よいことだったと主張するネトウヨが、TPPに賛成するのは一貫している。だが、「売国路線」といわれてもしかたがないだろう。

TPPに入らなければ、日本は独自に経済改革をすることはできるのではあるまいか。TPPの非、ということもあるが、一番問うてみたいのは、そのことである。