村上春樹新作レビューから  3

次にブログですが
琥珀色の戯言
http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20130430

は読み応えがありました。さすがだなと思いました。
私の感想と同じとはいえませんけど。

《以前の「村上ワールド」は、「村上春樹の美学に従うキャラクター」と「反するキャラクター」が比較的明瞭に色分けされていたけれど、今回はむしろ「これまでならバッサリと切り捨てられてしまったであろうキャラクター」たちを、村上さんは認め、彼らの言い分に耳を傾けているような気がするのです。》

これは至言ですね。これは、今までの彼の作品とははっきり違っている点です。多くの批判的な読者が、予定調和すぎるとか、うまくいきすぎているとか、いわれるのは、ここのところを違う側から見ているのだと思います。何ひとつうまくおさまってなどいないのに、なんでそんな感想が多いのかなと読んだあとは不思議でしたが、この文章を読んで納得しました。

私も、この小説、今までと違ってるなと思いましたが、それはこことは違うとこだったんですが、これもそうだなと思います。

国境の南、太陽の西」と似ているという指摘もありましたが、私はその作品はおもいつきませんでしたが、別の作品を思い出しました。