松屋や吉野家は

松屋吉野家も今はいろんな定食、どんぶりを提供していて、違いはよくわからなくなっているが、
もとは全く違っていた。

松屋の初期の頃、松屋は牛丼屋というよりは廉価の焼き肉定食の店だった。
牛肉や豚肉は焼いただけ。味付けは備え付けのバーベキュー味とか数種のたれ
で自分でお好みで食べる。今でもたれはおいてあるが、すでに味付けしてある
定食がほとんどなので、あえて使う必要もない。
昔は、自分でたれを選んで味付けするということがはっきりわかるように、
たれをいれる小皿がついていた。それに肉をひたして食べた。
 吉野家ははっきり言って、牛丼並の店だった。吉野家の牛丼並は見事に個性を主張して
いた。小盛りでもなく、大盛りでも特盛でもなく、過不足のない、並、それが吉牛だった。
何回かの身売り、そして、アメリカ牛肉の危険性問題をくぐり抜けて、そのブランド力は
落ちた。スキやにトップを奪われたのもその現れだ。並も昔ほどおいしくはないかもしれない。
 原点にもどり、吉野家で牛丼並を食べていると、やっぱりそうだなと思う。

 こういう私の感覚は保守的なのだろうと思う。だが、高度消費社会はすべてを競争の中で
等質化していっているような気はする。

なか卯は、特別につくられたおいしい卵が売りなように。その卵を使って親子丼以降の展開
がある。今でも同じようなメニューがあっても、なか卯は卵で違っているのだ。
朝定食に200円で卵かけ定食と目玉焼き定食が出せるのは、なか卯の卵あってのことだ。
他の店ではなりたたないだろう。