社会主義とは何か

社会主義とは何かについて、述べます。

 資本主義経済の根本的な問題点は、個々の企業単位ではよく計画がなされているのに、社会全体では無計画、それぞれの企業体が、金をもうけるという原動力でかってに争い行動しているということです。企業体を事実として荷なっている人を資本家といいますが、資本家たちが社会を牛耳っています。その根拠は本来公共的なものであるはずの生産手段を私的所有するのが原則だということです。国家も、社会全体の利益に立って公共の存在としてあるという建前ですが、資本主義のもとでは、資本家の金もうけのベースをつくるため、また資本家どうしの自由競争によって生じる問題をごまかすために存在しています。典型的なアメリカでは、直接資本家が政府にはいって利益を得ます。
大多数の国民は、賃労働者というあり方で、生きていくために、いずれかの会社と契約を結んで時間あたりいくらで賃金をもらって生活しています。金儲けには縁がありません。選挙権というものは手にしていますが、社会や政治を動かすことはできません。
社会主義は、そうした社会の構造から人々が身を守り、状況を変えるためにつながろうとして存在する運動です。

 社会主義についてもう一つ大事なことは、それが民主主義の発展したものだということです。
フランスでも、ドイツでも、日本でも、アメリカでも、ロシアでも、中国でも同じでした。日本のことだけをとりだせば、日本の社会主義自由民権運動の中から、生まれます。明治社会主義のリーダー幸徳秋水は、自由民権運動のリーダー中江兆民の直弟子です。
 民主主義の発展したものが社会主義であることは、反対者からも認められています。たとえば評論家の呉智英氏は、自分の封建思想を主張するにあたって、そういっています。また、社会主義に反対する人は、ルソーをその元祖として批判する人が多いのですが、ルソーは民主主義を定着させたフランス革命を起こすに影響した思想家で、もちろん、社会主義が唱えられる以前の人です。

 現存する社会主義社会の困難や問題点から、社会主義共産主義、社会的民主主義と言ってもよいものです)は評判の悪い今日この頃ですが、とりあえず、基本はこれです。


 社会主義について、いろいろな人がいろんなことを言っていますが、おもしろいと思うのは、
よい子の社会主義 というサイトです。検索すればすぐ出てきますから、一読を勧めます。