日本の外交的敗北と安心するのは危険

 菅井は、アメリカが現在泥沼中のイラク侵略を、蔭で強力にバックアップしたのは日本国であったと考えている。国連においてあいまいな制裁可能な決議を通すのに努力し、本来ならアメリカ一国の私戦にしかならなかったはずの侵略行為を、あたかも世界全体が連帯して当たっているかのような構図をつくるイニシアチブをとったのは、日本国だったのである。
 今回も、日本国はそういう戦争実現のバックアップをもっと露骨にやっている。
 アメリカの経済制裁に対する抗議、直接二カ国での話し合いを要求するメッセージとして行われた朝鮮のミサイル?発射実験は、アメリカには何の脅威でもなく、もちろん、日本にとっては、毎年行われている、武力を国法により認められている国ならどこでもやっている実験でしかないものであり、仮想敵国を朝鮮としている!日本国がなんら騒ぎ立て、国際的懲罰の対象とできるようなものでもないのにもかかわらず、国連での制裁決議を通そうとした。正当にも、拒否権を発動してもそれに反対するとした中露は、日本国の強行姿勢におされてか、軍事的制裁(侵略)につながらないような決議なら応じてもよいと、またしても米日の土俵に乗せられてしまっているではないか。今、米日と中ロのすりあわせの交渉が行われているようだが、将来の戦争のための口実になるような文言が気がつかないように入ってしまうのではないかと懸念する。そういう技は日本国官僚が得意であることはイラクの時で証明済みである。
 朝鮮が自国の法規にも国際法規によっても正当な武装に関して、実験すること自体が悪いとする決議にいかなる正当性があるというのか。
 それが悪いというのなら、日米が朝鮮を仮想敵としておこなっている大規模な演習やアメリカのミサイル実験も非難されるべきである。
 自国のもつ憲法の精神から遠く離れてしまって恥じない小泉首班・日本国のこのたびの行動には、ただただあきれかえるばかりである。