やれやれ

 日本国は朝鮮に対して、船舶を寄港させない制裁だけでなく、送金等の禁止の制裁にも踏み込むらしい。国連決議で非難されてしまったミサイル実験を理由にした朝鮮に対する制裁は、今のところ、日本国以外どこの国もやっていない。(アメリカは、偽ドル問題で制裁している)偽ドル問題や拉致問題は、それが事実なら、明らかな犯罪だが、ミサイル実験は、日本のように、軍備をもたない最高法規を持つ国がやるならおかしいことだが、軍隊を持つ国ではどこでもやっているものであり、それを理由の制裁はおかしい。国連で通った決議の文章には、核爆弾や核ミサイルの材料などは売らないようにと書いてあるけど、入港禁止とか、外交官も来させないとか、ましてや、金融封鎖なんか、書いてない。これでは、喧嘩を売っているのと同じである。戦争ふっかけているのは日本国なのである。
 日本国だけが朝鮮に対して、突出したこんな制裁をするのは、経済的には、朝鮮に対しての効果なく、道義的には、日本国が戦争ふっかけている悪い国ということにしかならない。こちらならとりあえずの戦争の危険はなく、日本国が朝鮮のミサイル標的にふさわしい好戦国であることを証明し、孤立するだけである。
 他の国が追従してくれれば、孤立はせずにすみ、効果は出てくるが、本格的戦争コースである。日本国は侵略国の実質筆頭である。もちろん、侵略国側の諸民にも被害がないはずはない。
 どちらにしても、よいことにはならない。

 どちらになるかは、アメリカの朝鮮に対する偽ドル疑惑による経済制裁が緩和されるか、それによって朝鮮が6者協議に復帰するか、ということが大きい。朝鮮が復帰すれば、話し合い路線は復活する。

 菅井は悲観的である。

 とりあえず、朝鮮抜きで、5か国が集まって対策を立てるのだそうだが、その時、また日本国は好戦的主張をまちがいなくするであろうし、日本国の主張自体は通らなくとも、朝鮮が受け入れがたい方向へと、議論を誘導する役目を果たすだろうからである。アメリカはイラクで自信をなくしつつあり、経済制裁緩和、米朝の直接話し合いという、朝鮮の求めている線に歩み寄る可能性はあるのであるのに、それとは逆方向を、わが日本国は強硬に後押しするにちがいない。その日本国は、なんと、平和主義と戦争放棄を宣した最高法規をもつ世界でも数少ない国なのだそうである。やれやれ。