イランにも・・・

 日米の画策で、中露をふくめた形でのミサイル発射について朝鮮の側を一方的に非難する決議が通った。日本の積極外交が影響を与えたことは否定できない。ただし、日本の積極外交の最初のものは、日朝平壌宣言であったということを忘れてはならない。方向も、意義も正反対のものであるが。
 イランに対しても朝鮮に対する決議を露払いとして、核兵器についての決議が国連で通ろうとしている。
 中東では、すでに、政府の占領地区からの撤退、アラブと戦争しない、の方針に逆らって、イスラエルレバノンで戦争を始めている。イラクにならった侵略戦争が、イランや朝鮮に対して行われる流れが進んでいる。そして、それにストップをかける物的存在の姿は未だ現れない。暗澹たる気持ちにならざるを得ない。
 日本国は、その流れを牽引している好戦国の筆頭に昇格した。アメリカもイスラエルもイギリスも、戦争の収拾のつかないほどの拡大を心中では恐れ動揺している。が、流れは止まっていない。第二次世界大戦で、本土決戦を目前とし、民族滅亡の際まで行ったわが日本国は、世代代わりで、戦争のことなど何も知らない支配者たちばかりとなり、怖いもの知らずにもこの流れを引っ張っている。なんとおバカなことか。
 過去の戦争の時も、怖いもの知らずの強がりが、見通しのない戦争に日本人をまきこんでいった。
 終戦のしかたも考えて始めるのが普通の戦争、などと言ってみても、過去の戦争のように、そんなもの考えなくとも戦争は始まってしまう。
 いくら物知らずの怖いものなしで飛び込んだとしても、戦争はゲームではない。殺し合いである。日本人はどの時点で戦争の真実に気づいて、やめようとするのだろうか。
 
 日本国がアメリカ軍の力を信じて、いくら強気の展望をもったとしても、対イラン、対朝鮮、そして対イラク、対アフガニスタンの泥沼化した戦争が、都合良く日米の勝利に終わる可能性は零である。

 かつて江戸幕府は、第二次長州征伐がうまくいかなくなって、心労の14代将軍は、大阪で死亡、そこから幕府への信頼は失われていった。ネオコンの戦争拡大方針は、どうなるのだろうか。