今必要なこと

 天皇の言葉一つで2チャネラーネット右翼は大混乱に陥っています。尊皇を真面目にとっていた連中は、天皇がそんなことをいうはずがない、この文書は偽造だ、と南京虐殺の写真とかにけちをつけた時のように、いろいろな疑問点?なるものを出して、自分たちを正当化しようとしています。しかし、南京虐殺否定派がその出発点としてよりどころにしてきた秦氏などもいっていることですが、それが昭和天皇の本意を表現していることはまちがいなさそうです。2・26事件の皇道派将校のようなジレンマに彼らは陥っています。
 尊皇派にさわがせ、さんざん利用してきた反・社会主義、反・戦後民主主義国家主義者(保守)どもが、天皇の政治利用をするな、などという天皇をないがしろにする発言を平然としているのはお笑いです。
 アメリカがイラクに行ってガタガタになり、小泉が不人気になったように、ネット右翼、2チャネラー尊皇攘夷連合にもひびが入っているのです。


 それに対して、反小泉の平和主義者の若者のサイトは、ネット右翼2チャネラーの荒らし、炎上攻撃を受けて幾多の犠牲を出してきたけれど、去年暮のフクダユウイチサイトのそれをものともせぬ完全勝利以後、着々とその数を増やしています。ブログ「愛と平和」らの成長は、その証であると思われます。


 第二次世界大戦での敗北により、戦争の悲惨を学んだ日本人は、平和憲法と民主主義を原理にして、新生日本の建設をしてきました。しかし、大日本帝国明治維新国家)は、完全に除去されることはなく、生き延びました。いたるところで平和と民主主義の実行はサボタージュされてきたのです。
 日本国が行った、A級戦犯の服刑を公務扱いする措置や靖国神社への合祀指示は、侵略戦争と大量虐殺の責任者として有罪となった彼らA級戦犯には罪がなかった、と主張することを意味し、日本国があげてあの戦争は悪くなかった、反省などしていない、と公言していることになるわけですが、これもサボタージュの一例です。


 この反動体制をくつがえす諸民の努力は、1960年に最大の力となって、小泉首相の父親がボスとしてつかえ、安倍晋三の祖父でもある、長州藩閥・元満州国官僚・元東条軍国内閣閣僚の岸信介首相がひきいる自民党内閣を打倒しようとする、「日米安保条約反対」の運動、いわゆる《安保闘争》に結集しました。これは、まさに、天下分け目の戦いでした。この諸民の戦いを牽引していったグループはブントという若い左翼インテリのグループでした。
 残念ながら、その敗北と弾圧以降、1970年前後にやや大きなリターンマッチ(70年反安保・沖縄返還闘争、ベトナム戦争反対、全共闘運動、公害反対闘争、文化革命などの複合)があったとはいうものの、日本は保守主義の支配へと、しだいに傾いていったのです。
 代わって台頭してきた思想は、新保守主義とか新自由主義とか言われる思想家たちで、特に、新生改革(ペレストロイカ)をめざして当時苦闘中だったソ連が、内部の反社会主義分子エリツィンの陰謀によって、解体させられた1990年代以来、平和主義者、社会主義者とみれば目の敵として、わがもの顔にふるまうようになって、今日に至っています。
 でも、最近の出来事は、彼らの役割が、日本の諸民を塗炭の苦しみにおとす軍拡路線、経済破綻路線、対米従属を日本諸民におしつけることでしかないことをはっきりさせているのではないでしょうか。