日本という名前

 日本という名前について、太陽のもとだから、世界の中心というような意味なのかと今まで思っていました。あんまり言うと、中国、中ツ国というのと同じで、自己中みたいで恥ずかしい、というようにも思ったりしてたんですが、どうも勘違いだったようです。

 日の本とは、太陽が出てくる方角のところ、ということで、東の(はずれの)国、という意味だというのです。もちろん、そうなるのは、中国から見た場合のことです。朝鮮というのも、朝、鮮やかに見える国ということで、中国から見ると、東側で、午前中、そっちの方に日があるとか。
 世界の中心の国かと思っていたら、東のはずれの国では、いささか拍子抜けですねえ。
 言い伝えによれば、その昔、聖徳太子は、隋の煬帝に手紙を送って、「日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す。」とため口で書いたと言われていますが、もらった煬帝は、「なんだ、おかしいな、日没する国はわが中国ではなくて、ずっと西の西域とか、シルクロードの国なんだが」と意味不明な文章に悩んだのではないでしょうか。・

 でも、はずれであったも、太陽がのぼってくるのだから、よいもののある国だという感じはしますよね。