結局これに尽きるのだが

 核の廃絶も、地域の非核化も、みずから核をもっておらず、核をもつ意志もない国が主導権をとらない限りできない。核廃絶をする意志のある国にしかできないことなのである。中国は東アジアにおけるすぐれた大国ではあるが、核をもつ国であるということによって、その能力だけはない。朝鮮が核保有を宣言した以上、まだ可能なのは、かろうじて日本と韓国、(台湾は国際社会では国家として働けない)ということになった。とりわけ日本は、広島長崎で最初の核被害を受けた諸民をもつ国であり、政策をきりかえてきちんとのぞむなら、東アジア地域の非核化を可能にするし、東アジア地域の相互安全保障も実現しうる。それは経済的災害をふせぎ、おこりえる自然の変動の危機に対処する道でもある。そうすれば、日本は大国ではなくとも、敬意をうける国にはなるであろう。
 そういう国家を今の日本につくりだすこと、それが今の最上位の政治上の課題でなければならない。そう思う人は菅井の他にもたくさんいるのではないだろうか。