再び脳裏に浮かぶこと

菅井の、イラク侵略が始まった直後に書いた文章を再録する。某サイトにのせたものである。

《脳裏に浮かぶこと  03年4月8日

 アメリカのイラク侵攻はついにバクダッドに及んだ。今の時点で、本格的な市街戦にはいっていない。
 歴史を振り返ると、いろんなことがあったが、私の脳裏に浮かぶのは、幕府の二度にわたる長州征伐、そして、満州事変。

 幕府は自分の統治にさからう、ならず者藩・長州を二度にわたって攻める。一度めは大負けした長州が家老たちの命をさしだして降参。二度目は召集した幕府連合軍が思うように集まらず、結局失敗。それが幕府の権威の崩壊のはじまりとなった。明治維新のちょっと前の話である。

 天皇、国軍の命令のないまま、中国へ戦争を拡大した一部日本軍は満州国というかいらい国家をつくる。建国の主旨は美しかった。昭和天皇はこの暴走をいかったが、統帥権違反できびしく処罰することはなく、結局追認した。軍部のはどめの効かない暴走はここに始まった。》

  この後イラクでは市街戦も始まった。アメリカの傀儡政権、マリク政権はもはや一部地域の有効支配しかしていない。戦費もベトナム戦争のそれを既に超え、アメリカでは、ついに今のイラク政策の根本的見直しが不可欠との答申が出た。