日本の外交原理を問う

拉致問題の前進が前提=対北「見返り」で−麻生外相
 麻生太郎外相は17日午後、再開される6カ国協議に臨む政府の方針について、「核の問題が片付いたとしても、拉致の問題が片付いていない限りは日本に(見返りの経済的な)負担を求めないで下さい、ということだ」と述べ、拉致問題の前進が北朝鮮への制裁緩和や経済支援実施の前提だと強調した。佐賀市内で記者団の質問に答えた。 (時事通信)》

軍縮のような地域の平和に関する普遍的なことよりも、自国の利害(拉致問題の解決不十分)の方を優先するという外交方針を麻生外相は主張したことになる。これは、イスラエルの態度と同じである。だが、こういう立場を、倫理学ではエゴイスムと呼ぶのである。今後、日本がこういう姿勢を貫くなら、イスラエルのように、御しにくい国際社会の問題児になることはできても、残念ながら、国際社会における信頼されるリーダーになることは不可能である。現・日本国憲法と、薩長藩閥の亡霊政府が葬り去ったと思っている「教育基本法」の精神が指し示している、国際社会で名誉ある地位を得ることからは全く遠いものである。