社会主義の新段階

チャベス氏の一連の新政策は、各国版ペレストロイカ社会主義世界経済体制の崩壊で特徴づけられたここ20年の社会主義の実験が新段階に入ったことを示すものかもしれない。その課題は、一歩後退から二歩前進へ、社会主義の新しい経済協力体制の復活、国連の実質化、多様な実験を許すかたちで、高度な生産力と計画経済とを結合すること、等々を課題とする。
そのためには、社会主義運動の倫理的な面での自己批判は欠くことはできないが、社会主義内でしばしば発揮されてきた自浄能力のことは、それが十分だったとはいえないとしても、正しく評価されるべきである。約180年に及ぶ社会主義運動ほど、自らの欠点を直視し、内部から直すことを実行してきた運動は他には存在しない。それは、たぶん社会主義が基本的に唯物論に基礎を置く運動であることによっている。