県民大会の決議が、中央政府を動かした

「『集団自決』は日本軍の強制によるものだった」とする記述に対し
沖縄戦の実態について、誤解する恐れのある表現である」と検定意見をつけ、日本軍の強制に関する記述を削除させたことについて、
「学術的な検討を得た審議会の決定」と一貫して説明してきた政府、文部科学省は、態度を変えた。
彼らの主張は嘘にもとづいていたから当然の措置だが、変えたのは
「あらゆる党派が参加した」事実上立法機関となった県民集会を成功させた沖縄人の力と、
その場で採択された決議の権威である。
民衆の行動が直接政治を動かすことは、最近では、朝鮮への拉致被害者家族たちの運動があったわけだが、
現在の沖縄人の行動は量の点でも質の点でも、新たな段階を画したといえる。