感想三つ

ウィルコムが2.5GHz帯の使用をKDDIとともに勝ち取った。
ウィルコム使いの菅井としては、とりあえずうれしい。次世代高速PHSの開発を目標にかかげてDDIポケットを買収、音声端末にもてこ入れをして、差別を受けながらも携帯の一角にくいこむまでになって、スマートフォン分野では先駆けをいくウィルコムにとって、この帯域を手にすることは、死活の問題だったといっていい。これで、まだしばらく、強電波携帯にのりかえなくてすむ。煙草の害にうるさい日本であるが、携帯電波の害については、ほとんど問題にされていない。弱電波携帯のウィルコムがなくなることは、日本中の牛肉が全部アメリカ産になってしまうことと同じようなものなのだ。ウィルコムは、携帯界の「すき家」なのである。


◎岩国で市長が辞職し、出直し選挙となった。これは、現岩国市長が米軍基地に遠慮をねがおうとした政策が、対米従属派多数の市議会の抵抗でとおらないため市長が決断した。ねじれ議会の解消は、前選挙で、公約として承認された政策を実行した市長の側ではなく、反対している議会の解散再選挙こそがこの場合、本来は正しいが、この結果市長が再選され、改めて米軍基地へのこれ以上の「協力」をしないという市民の意志が確認されるなら、議会側の抵抗の不条理さが浮き彫りにされることになる。先の市民集会に次いで、注目したい。
 それにしても、国政では、こういうきちんとした態度は全く見られない。福田首相は、解散も、辞職もせず、したがって、自分のやろうとしていることを国民に問う気はまったくない。政治を支配層だけでやっていくという姿勢が丸見えだ。こういうのを「政治不在」と呼ぶしかない。


パキスタンで元大統領のブット女史が殺された。アメリカの意を体していると見なされたのか、小さいころから亡命していた西欧育ちの彼女の体質がパキスタンにうけいれられなかったのか? いろいろ違いがあるが、パキスタンも日本もアメリカへの従属国であり前線に立たされている国である。そのため強いられる無理が国内をひきさきつつあることも同じである。そこでの課題は対米自立をいかに確保するか、なのだ。