白熱電球禁止に反対する

CO2による地球温暖化問題は、我が国においては、各家庭での省エネ強要と原子力エネルギーの増大ということになるようだ。その過程で、既存の技術をよく考えもせずに切り捨てようとしている。石油ばかりでなく、ガスも切り捨てて、原発による電気に全面的に頼ろうとしているらしい。
また、白熱電球の生産を事実上禁止して、蛍光灯にしようとしているということを最近知った。白熱電球のほうがエネルギーをたくさんつかうからだという理由だ。
これはとんでもないことなのではないか。確かに、蛍光灯の普及は進んでいる。白熱電球の使用はすでにそれほど多くないだろう。だが、電球は40ワットのものでも60ワット、80ワット、100ワットのものでも、100円程度で買えるが、蛍光灯は、15ワット程度のもの以外は高い。丸く輪になったサークラインはもっと高い。白熱電球は寿命が短いとか言われるが、つけたり消したりを頻繁にやる場合は蛍光灯は電力も食えば、消耗もすると聞いたことがある。貧しい人は100ワットを使わず、60ワットですましたり、トイレには20ワットの電球を使い、そのたびにつけ消しをしている。わたしの部屋にある高級な白熱球がはまっていたソケットにはもうすでに100円ショップの60ワット電球がはまっている。ソケットが同じだからできることなのだ。蛍光灯ではそうはいかない。球が切れればただちにグローも含めて2000円くらいの費用は必要になるのである。
目がチカチカするから、勉強や読書には蛍光灯は向かないと聞いたこともある。
白熱球の生産と輸入を禁止したとして、省エネに貢献するかどうかは疑問である。それよりは、夜の建物をかざる無意味なイルミネーションや、広告や巨大テレビジョン、そういった浪費文化がエネルギー無駄の本質なのではないだろうか。
諸民は白熱電球であっても、節約のためにいろんな措置をとっている。それだけの電気代を負担することなど できないからである。
白熱電球の禁止は、貧しい者の生活に打撃を与えるものである。政府は、今までのテレビをあと3年で全廃するなど、とんでもない無茶をいくつもやろうとしているが、白熱電球の禁止は瑣末な事と思っているのかもしれないが、とんでもない。それ以上の無茶である。考えを改めてもらいたい。