政界再編成論議の危険性

解散双選挙がいつ行われるかわからないが、思ったより早いかもしれない。

政界再編成が行われるとか言われているが、
次の選挙のテーマは自民党の延命を許すか、自エンドを実現するか、であると思う。 
福田氏の新自由主義緩和の政策は、新自由主義が本体になってしまっている現在の自民党の矛盾を深めるばかりである。
本質的な成果はあげられない。
財界も自分達の利益(大企業のさらなる大幅な減税)を望んで、福田氏の方針に 不満をもっている。
民主党はここまでやってきたのであり、かつての本体部分を切り捨てた自民党のような身軽さはない。政策をひょこひょこ変えることはむずかしいし、内部の対立も容易には解消しない。その民主党の重さは、民主党に解党しての政界再編成をしにくくしている。自党の歴史を木っ端みじんにして、歴史をもたない薄っぺらな存在になってしまった小泉以降自民党なら、選挙に勝つためにどんなことでもできるだろう。民主党の方が、小沢氏の大連合騒動を克服して、歴史と自立した存在を主張しはじめている。
だから、今度の選挙は、自民党(本来の自民党の健全な要素はすでに国民新党に移ってしまっている)の終焉と民主党の存在感の増大になるはずのものである。いくつかの選挙予想はそれをもの語っている。
もしそうならないとすれば、メディア操作や財界の要求にのせられて、民主党の側が分裂することによってのみである。
党で確認され、小沢氏も呑んだ、選挙して、野党連合で勝利するという方針で、民主党がまとまったまま進むなら、前原氏たち新自由主義派がいても、それは確実に実現するのである。
 それには、メディアやネット上が、政界再編論にかきまぜられて方向を見失い、誤誘導しないことが必要である。平和主義、新自由主義反対のブログは、民主党が臨戦態勢を解いて弛緩してしまったのと歩調を合わせるかのように、ゆるんだ状態になっている。はっきりとはいわないが、大連立でもよいというような方向での発言をはじめているブログもある。
 そうした方向でどんな危険があるかは、「世に倦む日日」の最近エントリーが書いている。結果としての自民党支配と新自由主義政治の延命である。諸民の切り捨てと大企業の肥え太りによる生き残り策である。
 問題は、依然として、旧来の政治を変えることであり、それは、自民党をエンドにすることなのである。その結果できる民主党中心内閣は矛盾をはらんだ物だろうが、それができて、はじめてわれわれ諸民は政治の出発点に立てる。真の政界再編成があるとすれば、その後のことである。
 総選挙を前に、いたずらに政界再編成を言うものは、自民党政治の延命を助けるだけである。