今月今夜の満月

きのうは雲にかくされつつも満月が見られた。
貫一お宮である。
今日は雪が降っている。
雪はいろいろなものを洗いながしてくれる。
今年はバクダッドにも何十年かぶりの雪が降ったそうだ。
イラクに待たれた国民的英雄がいよいよ現れた印かもしれない。

師走の満月がくれば、その15日あとにはあたらしい月新月の正月がやってくる。
月を中心にした日本のコヨミでは、月を見れば、今日が何日だかわかる。きのうは、12月15日だったのだ。
15日たつと月は欠けてなくなり、新しい月が生まれる。日本の陰陽暦の正月、中国の暦の春節である。

すでに日本の世間では正月は終っているが、本来はいよいよ大晦日に向けての準備に入る時なのである。
前に書いたことがあるけれど、日本では1日の交代は夜の食事によって行われる。
晦日の夜の食事、年越しそば(ご飯でもよい)である。
正月の意義は、近代日本でそうなっているような、社交(年賀の交換)と支配神にもうでて加護を願うこと(初詣)ではなく、
共同体が共食、おこもりなどの儀式・呪術を行って、自らの内に新しい命をおこすこと、
命の火をともし、それを全員にわかちあうことであるというのが
菅井の理解である。復活祭である。外に何かを求めるのではないのだ。

それは普遍的であると同時に伝統的なものだ。今有るそのままの習慣的なものとは同一ではない。
都会には自然がないという言い方があるが、それは違っている。
正月を通じて、人は自分達が街中にあっても、
自然以外のなにものでもないことを確認しつづけてきたのである。

それを忘れた連中が、ああでもないこうでもないといっている。