「PAPUWA」(少年ガンガン連載)の完結

PAPUWA」(柴田亜美)がガンガン2月号でとうとう完結しました。「南国少年」から数えると、ずいぶんになります。私は、藤原カムイは、前から読んでいたのに、柴田亜美は、「鋼の錬金術師」をまとめ読みしたのち、ガンガンの購読者(立ち読み者ではないという意味)になってからです。ナマモノたちに慣れ始め、パプワ君以外に登場する膨大な人々の顔の見分けがつくようになってきて、はまってしまいました。最終回には、ヒーローまで出てきました。
柴田亜美は、リアリズムではありません。はちゃめちゃな独自の神話の紡ぎ手です。赤の秘石と青の秘石、それによって生み出された赤の一族と青の一族の物語。それは、よくよく考えてみると、わたしたちの物語なのかもしれません。
いろんな登場人物のいろんな物語がありながら、完全無欠(?)な少年、パプワ君が命をかけて敵と戦い、世界を救い、眠りについたのち、大人になって、これまた成長したサンタの娘くりこちゃんと再会、結ばれる。というハッピーエンディング。
ハッピーチャイルドたちは、名前はハッピーだけれど、悲しかったり、さびしかったり、かわいそうだったり、どこがハッピーチャイルドなんだろうと思っていましたが、やっぱりハッピーチャイルドだった。個人的には恐竜族のハッピーチャイルドの女の子に再会できてうれしかったです。

欠落だらけの現実の僕たちにとって、こうした統合と回復のいわば、完全無欠のお話は、意味をもつと思います。
世界を統べていた赤と青の2つの秘石は、宇宙へ去って行きました。自分達の世界にもどっていき、、回復されたパプワ島は、人間たちとナマモノたちの地球は彼ら自身にゆだねられました。

いろんな可能性がうずまいていた1980年から90年代、僕は藤原カムイさんの物語にはらはらどきどきしながら、見事な大団円を見たいと思いつづけてきたのですが、柴田亜美さんがそのころの僕の思いをかなえてくれたような気がします。

この最終回は、PAPUWAの最終回というだけではなく、柴田亜美の赤と青の秘石の神話世界全体の最終回にもなっています。

アーミンさまおつかれさまでした。

今からは何がはじまるのでしょうか。