大阪の選択

大阪で橋下知事が誕生した。
若い。
「なりあがり」である。エリート出身でない。
テレビに出ている。爆笑問題と同じ事務所である。
悪名もあるがしっかり何億も稼いでいる。
菅井には、ライブドアの元社長堀江氏の成功バージョンのように見える。


心なしか、インタビューで見た大阪の人に笑いがなかったのは、
すでに大阪のひっぱくはそこまで来ているのか。


橋下知事は、当選のためには、
自分のポリシーも変え茶髪も黒くそめ、背広にすることも躊躇なく、
自分の出演している収録番組を没にしないためには国民に大嘘をついても臆することなく、
訴訟で勝つ為には、平気できたない手を使えるようだ。
眼が悪くないのに、イメージが損なわれそうだとするとそのまま眼鏡をかけつづけ、
そして、当選したら、平気でそれをいってしまう。
結果(当選)オーライである。


選挙運動も、公明党自民党と高校仲間と爆笑問題の事務所が中心になり
熱意を訴え、人情に訴え、地元心に訴え、細部は語らない。


こんな人が諸民の味方だったらなかなか頼りになるかもしれないと思わせる。
それに若い。


だが、残念ながら、彼は諸民の味方ではない。
財政破綻を理由にして首切り合理化福祉切り捨てはかる国の枠組みに逆らわずに実行しようとしている。
私立が進学校になって、公立がだめになったからと、公立学校の多様化と進学エリート校のつくりだしを主張していたが、本気でそんなことやれば、混乱は必死だ。


大阪は今度の選挙の結果、まじにならないといけないことになった。
お笑いでも、嘘つきでも、暴言あってもかまわない。
結果さえ出してくれればいい、という選択をしたのだから。


歴史が変わると前日まであおっていた橋下氏だが、選挙後の彼の顔に明るい笑顔はなかった。熱気が伝わってこない。橋下知事はそれも、責任の重さを感じているのだとか、睡眠不足でつかれているせいとうまく言い逃れるだろう。