民主と経団連の首脳懇談会/シーファー大使の「遺憾」

《民主・小沢氏、政権獲得に理解を=経団連、予算の早期成立要請−首脳懇談会
 民主党日本経団連は14日午後、都内のホテルで首脳懇談会を開催した。小沢一郎代表は冒頭「わたしどもは戦後半世紀以上続いた仕組みや制度を根本から変えないと新時代に対応できないと考えているが、経団連の評価は厳しい」と政権奪取の決意を伝え、理解を求めた。御手洗冨士夫会長は「国民が豊かさを享受できるような日本にしていくためには、引き続き改革を強力に進めていくことが必要だ」と指摘した。ー以下略ー》(時事ドットコム
以上引用

 ナチスドイツはドイツの資本家たちに支持されて、はじめて権力を確立することができた。
 小沢氏も、日本の独占資本家たちの支持を得ずには政権をとれないと思って、本気でこんな懇談会で経団連に訴えているように見える。経団連は、改革を小沢民主党に要求している。弱者切り捨て、税制優遇や賃労働者の待遇を悪化させる法改正によって大企業をあまやかすことが、国際競争を勝ち抜くためには必要だとする「新自由主義」のことだ。それでいて、それらの大企業の外資による買収や支配はご自由に、というのだが。
 話し合いをすることはわるくない。共産党経団連と議論した方がいい。
 だが、支持してくださいとお願いして、諸民の生活を守ることに反する方針を押し付けられているだけではないか。


《米大使、「本当に遺憾」=沖縄知事、再発防止求める−少女暴行事件めぐり会談
 シーファー駐日米大使と在日米軍のライト司令官は13日昼、沖縄県北谷町での米海兵隊員による女子中学生暴行事件を受け、仲井真弘多知事と沖縄県庁で会談した。シーファー大使は「本当に遺憾だ。被害者の女性、関係者に対して同情に堪えない」とした上で、「(事件捜査に)全面的に協力したい」と述べた。
 会談で仲井真知事は「女性の人権をじゅうりんする極めて悪質な事件であり、決して許すことはできない。強い怒りを覚える」と抗議。さらに「このような事件が発生すると、県民の怒りは頂点に達する。今後、基地問題について大きな影響が出ると深刻に考えている」と強調、綱紀粛正の徹底や再発防止に万全を期すよう求めた。》(時事ドットコム) 
以上引用

 この沖縄の米海兵隊員による少女暴行事件の記事には、アメリカ大使が深く頭を下げている写真がのっていた。
http://www.jiji.com/news/kiji_photos/20080213at12b.jpg
 これはどうみても謝ってるのだ。それでいて、米大使の発言は「遺憾だ」、「同情に堪えない」としか伝えられていない。これは日本側の翻訳のまちがいなのだろうか。菅井の知るところでは、これらの日本語は、よくないことだと思うが、わたしの責任ではありません、ということを言う日本政治家の独特の用語だったと思う。天皇や首相がアジア・太平洋戦争のアジアの諸民にした侵略行為の数々について触れるとき、「遺憾だ」まではオーケーでも、「申し訳ない」「わるかった」とは決して言わないという場面を何度見てきたことか。
 アメリカ大使は米軍とはちがうから米軍の責任は負わないということなのだろうか。だが、何でも民営化が良いの新自由主義の本場アメリカでも、米軍が民営化されているというのはまだきいたことがないから、海兵隊員はアメリカ合衆国の公務員だ。アメリカ大使はアメリカ国家の公務員を代表して日本にいるはずだ。だったら、一公務員のやった失態を責任者が謝らないで、他人事のように遺憾ですというのはおかしい。どうみてもあやまっている写真や、米軍側のあわてようからみて、向こうは非を認めているのだ。
 いままで、何百回も類似の事件があり、殺された女性だってあったのに、今回のように特別プログラムをつくりますとか、大使と在日米軍司令官一緒に沖縄県庁に直截出向いたとかあまりきいたことがないから、アメリカはまずかったと思っているとしか思えないが、なぜ「遺憾」なのだろうか。 

 日本で公務員や警官やNHKの職員が不肖時をおこすと一般諸民よりもずっと厳しく言われるのが普通だ。ところが、先方のアメリカ国家が悪かったといっているのに、日本人には被害者の日本人の少女が悪いのだと言っている人々がいて声をはりあげている。おかしいことだ。