吉野裕子さんが死去。

彼女の研究は、大変ためになった。日本の文化を理解するうえでは、欠くとこのできないものである。神社やその祭神について、神社や文献の解説というものがどれだけ後世の解釈にすぎないかということを菅井が理解したのは「蛇」などの民族学的な研究によってである。中国の陰陽五行説がどれだけ日本の文化を形づくってきたかは、彼女の本を読んで初めて実感した。彼女の本や白川静さんの漢字研究に多少なりとも触れられたことが、昨今の薄っぺらな愛国ブーム、日本ブームに動じることのなかった根本的な理由である。