村上春樹は日本イデオロギーに何をもちこむか

村上のダンスはなおもつづいている。
村上のスピーチは、新聞にのり、週刊朝日にのり、文藝春秋にのったことでまちがいなく、
支配的イデオロギーの領域に到達した。
村上が日本のイデオロギー(これもまた強固な壁)の現状にもちこんだものが何であるか。そこでは何が賭けられているのか? もう少し見守りたいと思う。
文藝春秋にインタビューをのせたことで、村上はそのイデオロギー空間における積極的なプレイヤーになった。
村上春樹批判はかくして、文藝批評や思想批評の面から社会的イデオロギーの領域に移行する。村上はその確信的な工作者であり、彼にはもちろん、責任が存在する。