物語を考えるということ

物語について、あれこれと考えることは、
実は、実在について考えていることなの
である。

ただし、実在について直に考えることとは違う。
現実のことを考えているという意識なしに
行われるのが、
物語を考えるということだ。

物語について考えることが、どこかで実在についての思考に
統合されてしまうと
いうのではない。

その人が生きている限り、
物語は物語であり、
実在は実在であり、
区別されたままでありつづける。

だが、一方の進展は他方への影響、変化をもたらす。


1Q84の物語について、たくさんの人々が考えている
というのは、そういうことだ。