ペレストロイカの教訓

 今月は、ロシア10月革命の記念日の月だ。諸民が主人公の社会を生み出すというロシア革命の実験は、70年ほどつづいて、強制終了させられた。はじめてのペレストロイカの試みが、主体的、理論的、外的条件により、挫折せざるを得なかったことは大きかった。
 その教訓は、革命を破壊しようという勢力に包囲されている以上、主体的にも未熟である状況のもとで、経済改革(自由化)よりも政治改革(自由の拡大)を優先させるのは,正しくない、ということだった。
 中国は、その教訓に立って、「資本主義の導入」をすすめ、経済改革を先立ててきたと言える。だが、一定の経済の改革がすすめば、それに応じた政治改革もまた,必要になる。


 中国のペレストロイカは案外近いのかもしれない。中国政府の首脳の
 「社会主義体制を自浄的に改善していく政治システムの構築が必要だ」
という発言はそれを思わせる


 もちろん、ロシアでうまくいかなかったことが,中国でうまくいくかどうかはわからない。中国内部には固有の矛盾、対立がある。
 だが、中国もキューバもそれぞれ、ソ連の経験から学んでいる。そして、中国版「ペレストロイカ」がもし成功するならば、それは、世界の諸民にとって、大きな力づけとなることはまちがいない。