原発事故、もう一つの観点

原発の事故の責任についていろいろ言われている。
管総理が悪いという意見も多い。


確かに、災害救助という点で考えたとき、原発の機械のことばかりに注目して、まわりで生活している人々への配慮がなかった点はゆるされないし、最初の判断をまちがったことはその通りだろう。


だが、管首相や民主党政権がすべて悪いという意見については、菅井は少し違う意見をもっている。


今の原発管理体制をつくりあげたのは自民党政権の時代なのである。その結果、保安院は、政府と東電の間をつないだだけで、権限をなんら発動しなかった。事実上東電にまかせぱなしだったのだ。
また、つなみでこわれるような非常電源を設計したのは、GEの代理店のような立場だったアメリカの企業なのである。


だから、なによりも悪いのは、過去の自民党原発政策であり、原発を日本におしつけたアメリカである。特に、非常電源を外部において、つなみでおじゃんにする設計をしたアメリカの企業は具体的に責任がある。


管総理は、初動で、アメリカのすぐホウ素を入れて海水でもいいから冷やせ、材料も貸そうという意見をとりいれなかった。これはまちがいだったが、菅井はしかたなかったとおもう。

日本人だから、まず日本の技術者を信じたのだ。東電は、原子炉を再利用したいので、廃炉にするホウ素入れや海水注入に消極的だったこともあるだろうが、アメリカがいきなりこうだといって押し付けてきても、自主的な判断をするのは当然だ。


もちろん、原発反対、原発の危険を主張していた共産党社民党、小出さんとかの良心的な学者が政府をつくっていたのなら別だったろう。しかし彼らは今まで、原発は安全です、すすめますといっていた連中なのだ。


もっとも、管内閣はアメリカに従属に舵をきった政府だ。国家としての決断力はない。


小沢氏を中心に、決断力があり、自主的な政府をつくって国難を救いたいという意見もあるが、これをきっかけに、日本国家(明治につくられた)は力を失い、日本には自主的な権力が失われ、アメリカの属国になる(日米の合同の対策委員会というのはそれのはじまり)可能性の方が今みていると高いとおそれる。

自衛隊の一部は、今回のアメリカ軍の動きをみて、警戒感をもったようだが、米軍が東北にわがものがおに展開したことは本当だ。

もし、本格的な水蒸気爆発が起こっていたら、(たまたまそういうことにはならなかっただけだ)東北はアメリカ軍に指揮された自衛隊による、日米合同直接統治になったのではないか。
少なくとも、原発処理は東電も日本政府も通り越して、アメリカが直接やっただろう。


今は、アメリカとフランスの原発産業は、原発安全を宣伝するため、事故のデータをとるために、日本に「全面」協力している。無償供与も一部あるが、米仏の高価な機器が、今だとばかりに投入されている。

国産にも同様な技術があるが、たぶん国産は採用されない。
結果は膨大な借金である。


今まで、日本は、国債を国民が買っており、つまりは、外国に借金のない国だった。財政赤字をいいたてる人々に対して、実は日本の政府財政は安心であると反論する根拠があった。


だが、これをきっかけに日本は海外に借金をもつ国になる。復興ビジネスの利権は誰のところにころがるだろうか。アメリカは全面協力するというのは、そういうことだ。


何人かの専門家が、大変なことになったが、それに急遽対処する技術は日本にちゃんとある、どうしてそれを使わない? 簡単で早いのに、といっていた。


経験豊かなわれわれアメリカの技術やフランスの某社の技術や機械をつかいなさい、いくらでも売ってあげますよと助言してくれているということではないのか。


週刊文春をよんだが、今やられている窒素注入もアメリカの指示で、福島第一原発の現場の技術者たちは、それを今やることに反対したそうである。それをやることにより、できなくなることがある。安定しつつある原子炉に、不安定要因をいれるのは危険だ。陰圧になって空気を吸い込んだら、かえって爆発することになる。吹き出した内部の空気で作業員の命があぶない。てまも危険も大変だ。ということだったそうだ。


アメリカのいうなりの対策が上から押し付けられている。現場が考えている収拾策がこわされそうである。


ロボットで中をみるそうだが、その操作も結局東電とその下請けの作業員がやらなければならない。安全な場所からの無線操縦ではなく、近くで窓からのぞきながらの操作とか。メーカーは無償で、といっているがそれは彼らにとって屁でもない。こんなにいい運転実験の場はまたとないからだ。データがただで、しかも自分たちは機械を貸すだけでとれるのだから。


アメリカは迂回したけれど、結局、自国の技術とやり方を日本におしつけるのに成功しそうだ。
それは、「より直接的な日本支配」の実験にもなる。


ネトウヨは対策はアメリカのいうこと聞け、原発もやれといっているようだが、
すっかり「反日」になってしまったようだ。


ネトウヨで、「愛国者」という資格があるのは、少数派になってしまった安全厨だけである。