室伏、世界陸上で金メダル

世界陸上で、室伏が優勝した。世界陸上で、金メダルはマラソン以外は日本人はじめてだそうだ。室伏は、銀はとったことがあるが、金ははじめて。オリンピックでは、優勝者が失格して繰り上げ金メダルをとったことがあった。オリンピック、世界陸上を通して、今回は文句なしの金メダル。
父親もすばらしいハンマーの選手だった室伏だが、三十すぎてよくやったなと思う。

以下引用です
男子ハンマー投げで優勝し、金メダルを受け取り、笑顔を見せる室伏=韓国・大邱で2011年8月29日

 【大邱(韓国)田原和宏】陸上の世界選手権は第3日の29日、男子ハンマー投げ室伏広治(ミズノ)が81メートル24で初優勝を果たした。日本選手の金メダルは97年大会女子マラソン鈴木博美以来7大会ぶり4人目で、男女マラソン以外の種目では初めて。

 室伏は01年銀、03年銅に続く3個目の世界選手権メダル。04年アテネ五輪と合わせ、日本の陸上で初めて五輪、世界選手権の両方で頂点に立った。この優勝で来年のロンドン五輪代表にも内定した。

 室伏は1回目に今季自己最高の79メートル72でトップに立ち、2回目に81メートル03、3回目に81メートル24と伸ばした。6回目にクリスティアン・パルシュ(ハンガリー)に81メートル18と迫られたが、6センチ差で制した。
 ◇「集大成」へ正確な一投

 遠くに投げることだけが重要なのではない。10月で37歳を迎える室伏は、いかに正確に投げるかということを心掛ける。メダルを取るには何が必要か。室伏はこう話していた。「80メートルを投げれば、どの色になるか分からないがメダルを取れるでしょう」。待っていたのは最高の色だった。

 自らの予想を現実にしたのは2投目。会場が静まりかえる中、緩やかな軌跡を描いた放物線は80メートルのラインを軽々と越えた。だが、喜ぶ父の重信さんとは対照的に本人は何事もなかったように引き揚げる。結果的に優勝を決めたのは、雄たけびを上げて投じた3投目と5投目だったが、何とも自然体の投てきだった。だからこそ、室伏いわく「金メダルを狙う投てきができた」。

 以前は1日に160〜170回も投げたこともある。父の重信さんは300回に達した。だが、現在は投てき数が20回を超えることはない。技術も大切だが、むしろ体幹を鍛え、体のバランスを整えることに専念する。「30歳を超えると、どの大会も万全で臨むのは難しい」

 初めて世界の舞台でメダルを獲得したのは10年前。この年、初めて世界ランク1位を獲得したが、今なおトップ選手であり続ける。36歳と325日での優勝は、83年の第1回大会以降、男子の最年長記録になる。

 ようやく表彰台の最も高い場所に立った。04年アテネ五輪の金メダルは優勝者の失格に伴うもの。「やっぱり金メダルは郵送でもらうものじゃないよね」と冗談も飛び出した。「集大成」と位置付ける来年のロンドン五輪。年を重ねたからこそ、手に入るものもある。【田原和宏】