またしてもごまかしだ。国民にぼやかしといて、勝手にやる。
野田は、アリバイ的に一日だけ国会でTPP参加について審議をした。
その場面を一部見たが、反対意見は強く、参加見解は説得的なものではなかった。野田は参加を主張せず、よく考えるといっていた。
場面をありのままに見れば、野田は参加をとりやめるだろうと見える様子だった。
そもそも野田が自分の主張を言わないのがおかしいのだが、まっとうな意見交換があったとは言えない。具体的な問題点の指摘にたいして、一般論のいいわけのみで、どういう立場で参加するという具体的な言質はひとつもなかった。
しかし、実際には、野田は参加すると発表した。多くの新聞は、決意表明としか書かないが、関係各国に参加の方向の意志を伝え、協議するというのだから、参加するといったのと、何も変わらない。改めて国民に参加するかききますなどといっていない。そして、これは交渉ではない。
アメリカ政府は待ってましたとばかりに、早速歓迎の談話を発表した。そして、「日本がＴＰＰ交渉に参加するには、高いレベルでの貿易の自由化や、農業・サービス業・製造業などにおいて、アメリカが障壁と見なす問題に取り組まなければならない」とはっきり言っている。「アメリカが」と自分の都合であることをはっきり述べている。
民主党の参加反対派は、野田のごまかし表現を参加はきまっていない、様子をきくだけだといっているが、そんなことならもうすでに政府はやっている。これもアリバイとごまかしだが、誰がだまされるだろうか。
アメリカの意向に反する政治方針は挫折し、アメリカの意向に従う政治方針は、国内を無視して通るということなのだろうか。
