急転

日本社会は急激に変わろうとしている。
わたしたちの意識と行動がそれにまだついていっていないだけだ。


現体制の維持をのぞむものたちは、野田がおしすすめる
自民、公明をとりこんでの、強行突破体制を支持しようとしている。消費税上げ、原発再稼働、ネットの取締り強化・・・。この延長には、平和憲法の廃棄と対中国戦争・・・、そして日本の滅亡が待っている。


アメリカは、日本の脱原発が、自分たちの原発ビジネスに不利になることをおそれ、日本での再稼働を求めている。沖縄基地問題でもいうことを聞く日本政府を求めている。だから、野田がその方向で進むなら、支持をする。日本の独占資本も、混乱をおそれているし、原発をやめる気はない。大手新聞が野田のやっていることを宣伝しているのはそういうことだ。


強い物にはついていく、という風に、日本の諸民のことを思っているのだろう。日本の諸民もあしもとを見られたものだ。


安保闘争の時、岸が言った声なき声というやつだ。


首相官邸前の抗議が一万人が十万人になっても、野田は国民の声は聞かない。来年まで、解散しないつもりだし、それまでに国民は、放射能被害のことを忘れてしまい、日常に復帰し、監視社会にも慣れてしまうと思っている。自民、公明をとりこめば、不信任だって出ようはずがない。小沢グループは処分してしまえば終りだ。


たしかに、一万が十万になっても、こういう政治家の考えを変えることはできないだろう。野田は、自分のおもいつきで動いているのではなくて、米日独占の意志の力によって動いているのだから。彼らは、いままで、法人税を払っていないくせに、消費税を値上げするように圧力をかけている。


国家というものは、富の不均等に対して、それを調整するために再分配して意味があるのだが、消費税を増額して、税自体も搾取の装置にして搾取を強化してしまおうとしている。国家のまともな機能の自己否定だ。


いったん、今の野田のように、国民のことは考えない、米日独占の意向にそえばよい、と決めてしまえば、あらゆる反動法案がどさくさにまぎれてスパスパ通過する。


解散せよと叫び、再稼働をやめろと叫ぶことはできるが、もともと聞く気のないものにそうさせることはできない。


このままでいけば、一二年のうちに、上からのファシズム体制といってよいものが完成し、それでも、景気は上向きようがないから、戦争に訴えようとする圧力になると思う。


それは、第二次世界大戦の時にそうなったからだ。


今をすでに戦前だと警鐘をならしていた人もいたが、今はすでに戦中なのかもしれない。アメリカによる多国籍軍や国連監視団だのの行為は、彼らの言葉の文脈を離れてありていに見れば、「侵略」以外の何者でもなかった。イラク侵略であり、リビア侵略だ。いままた、シリア「侵略」やイラン「侵略」が画策されている。日本も朝鮮や中国と紛争を引き起こそうとしている人間が、首都の首長になっている。
 イラクリビア、シリア、イラン、これらへのアメリカの行為は、かつてのナチスドイツによるポーランド侵略や大日本帝国による中国侵略と同じような、アメリカ帝国主義とその追随勢力による行動と認定すべきものだ。


第二次世界大戦時には、社会主義と民主主義勢力が存在したが、今はそれはないので、はっきりとどこからも指摘されないだけだ。もし、ロシアがまだまともな社会主義であったなら、今のようにあいまいではなく、アメリカ帝国主義の侵略方針に国家としてもっとはっきりと抗議したことは確実だ。


週末に十万人規模の諸民による官邸抗議がよびかけられている。野田は耳をかさないだろうが、それはやらないといけない。外国に逃避していようといまいと、総理大臣閣下に多少いやな気分を味わわせることぐらいは出来る。