久間長官、原爆投下容認発言

 久間防衛庁長官がまた、不適切な発言をした。
 アメリカの原爆投下はしかたない、なのだそうである。それも、米国がソ連の参戦を防ぐためにやってくれたのだそうだ。
 事実は、すでにそのずっと前、ヤルタ会談において、アメリカはソ連の対日宣戦を承認していたのだ。日本はあの沖縄での悲惨な敗北にもかかわらず、まだ戦争を止めなかったし、、広島に原爆が落ちても戦争をやめなかった。ソ連軍の満州における侵攻を聞いて、初めて止めたのである。最終的に日本が敗戦を受け入れたのは、原爆ではなくて、ソ連の参戦を知ってだったのである。久間長官の言うような、そんな因果は存在しない。
 アメリカはそんなことのために原爆を落としたのではない。なんとしても実際に試してみたかったのだ。実験のために何十万が殺されたのだ。
 アメリカの広島、長崎(その次は東京だったらしいが)への原爆投下は、国際法にも人道にも反した、大量破壊兵器の使用であり、東京裁判が連合国をも裁くものであれば、まぎれもなく、人道への罪そのものである。広島・長崎はこの蛮行を永遠に許すことはないだろう。
 日本人ならこんなこと、当たり前の常識だ。
 どうやら、久間長官の頭はさっぱりであるらしい。こういう人が自衛隊に対して、シビリアンコントロールなど、できるはずもない。かつての軍部の中国侵略の暴走を政府は止められなかったように、事後追認するだけだ。
 一刻も早くこの人に長官を辞めてもらう以外にはない。
 前に、イラク戦争を日本は支持したことがないなどというヨタ発言をしてアメリカ高官に会ってもらうことさえできなかったのに懲りて、今度はアメリカの提灯を持つというわけか。媚米というのは久間長官のような行為を言うのである。
 アメリ軍事産業からお勧めのミサイル迎撃ミサイルの導入についても、何の根拠か、こんな発言をしている。
 久間氏はミサイル防衛は、二段構えになっているから、「今のSM3で9割以上迎撃でき、外れた1割をPAC3が撃つ確率は9割」つまり、99%迎撃可能と言いたいらしい。万死に値するヨタ発言である。
 この人、もしかしたら、長官から大臣に昇格していたんでしたっけ。おまけに長崎県出身。
 なるほど、劣化ウラン弾など日本も使用したいとおっしゃるのはこれでは無理もない。


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久間防衛相発言を一斉批判=野党、原爆投下容認に罷免要求も

6月30日21時1分配信 時事通信

 久間章生防衛相が米国による広島、長崎への原子爆弾投下を「しょうがない」と発言したことに対し、民主、共産、社民、国民新の野党4党幹部は30日、「防衛相としてふさわしくない発言だ」(菅直人民主党代表代行)などと一斉に批判した。社民党福島瑞穂党首は談話を発表し、安倍晋三首相に防衛相の罷免を要求した。
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<久間防衛相>原爆投下「容認」発言に政府・与党も戸惑い

6月30日21時10分配信 毎日新聞

 原爆投下を容認したとも受け取れる久間章生防衛相の発言に、政府・与党幹部は戸惑いを隠せない。野党側は参院選を目前に飛び出した現職閣僚の不用意発言を国会や選挙戦で厳しく追及する構えで、安倍晋三首相らは問題の沈静化に必死だ。
 首相は30日の香川県丸亀市での記者会見で「米国の考え方について紹介したと承知している」と述べ、問題視しない姿勢を示した。さらに「被爆の惨禍の中にあった長崎について忸怩(じくじ)たるものがある、という被爆地としての考え方も披歴された。いずれにしても核廃絶が日本の使命だ」と強調した。被爆地・広島が選挙区の自民党中川秀直幹事長も「原爆投下と(ソ連)参戦の関係は歴史観の問題で、一個人の意見。コメントの必要もない」と述べた。ただ、公明党太田昭宏代表はさいたま市内で記者団に「見識のある方、発言は信じられない。誤解を持たれる点があれば、説明をする必要があるのではないか」と懸念を示した。
 一方、野党側は民主党菅直人代表代行が島根県出雲市で記者団に「防衛相としてふさわしくない発言。原爆投下そのものを容認するような姿勢は、日本の主張と矛盾する」と非難。同行していた国民新党亀井久興幹事長も「罷免要求も考える」と同調した。共産党志位和夫委員長も同日、新潟市での記者会見で「閣僚失格。国会、選挙戦で追及する」と語った。【尾中香尚里】

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原水禁核禁会議の反応はまだ見られないが、もう一つの反核民間団体原水協

<久間防衛相>原爆の発言、あまりに非常識…原水協が抗議

6月30日19時35分配信 毎日新聞

 久間章生防衛相が講演で米国による原爆投下について「しょうがない」と発言した問題で、原水爆禁止日本協議会の高草木(たかくさき)博事務局長は30日、「残虐行為の惨状を経験した国の閣僚として、あまりに非常識」として、発言の取り消しを求める抗議の談話を発表した。

最終更新:6月30日19時35分
毎日新聞

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追加
久間氏はその後、次のように釈明したが、これで釈明になっていると本当に考えているのだろうか。「しかたない」の意味は昨日の発言とちがうことを言っている。ごまかしである。何が一番問題かというと、このような間違いを正す能力のない政治家に日本の運営を任せ続けることはできない、ということなのだ。歴史観以前に問題がある。


原爆発言、訂正せず=米投下「是認しない」と釈明−久間防衛相

7月1日13時2分配信 時事通信

 久間章生防衛相は1日午前のフジテレビの報道番組で、米国の広島、長崎への原爆投下を「しょうがない」と発言したことについて、「訂正する必要はない。誤解を与えたところがあれば、そこは丁寧に説明しなければいけない」と述べ、訂正しない考えを明らかにした。
 久間氏は「一連の戦争が終わったんだという過去のこと(について)、あの時こうすればよかった、ああすればよかったと今言ってみてもしょうがない、という思いで言った」と強調。その上で「米国の原爆(投下)を是認したわけでも、米国に気兼ねして言っているわけでもない。(そう受け取られるのは)残念だ」と釈明した。 


もとの発言についての報道は例えば、こうである。菅井の整理と、久間氏の「丁寧な説明」とどちらが正しい理解だろうか。

米の原爆投下「しょうがない」=ソ連参戦防ぐため−久間防衛相

6月30日13時2分配信 時事通信

 久間章生防衛相は30日午前、千葉県柏市麗澤大学で講演し、米国の広島、長崎への原子爆弾投下が日本の無条件降伏につながり、ソ連の北海道侵略・占領を防いだと指摘した上で「(原爆で)本当に無数の人が悲惨な目に遭ったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今しょうがないなと思っている」と述べた。
 久間氏は長崎県出身。原爆投下を一定評価した発言ともとれるだけに、波紋を広げそうだ。
 久間氏は当時の戦況について「(米国は)日本が負けると分かっているのに、あえて原子爆弾を広島と長崎に落とした。そこまでやったら日本も降参し、ソ連の参戦を止めることができるということだった」と説明した。