「生きさせろ!」(雨宮処凛 太田出版 3月28日刊)

 「生きさせろ」(雨宮処凛 太田出版・3月刊)という新刊書を読みました。この本は、若い人たちにとっては、なくてはならない本になるんじゃ、と感じました。
 菅井にとっても、自分の身にひきつけて思い当たることがたくさんありましたが。
 中でも、はじめてわかった気がしたことは、「ただ生きること」が人としての権利だという主張です。わたしたちは、生き延びるために他人と競争し、能力を高めるために頑張ることを「生きる」ことと思ってしまっているけれど、それは「能力がある人間は生きる権利がある」「勝ち抜いたものには生きる権利がある」という考えと結びついていて、「努力の足りないものは生きる権利はない」「能力の無いものは生きる権利はない」「空気の読めないものは生きられなくてもよい」という言説を含んでいたんだと思います。
 無条件に生きることを権利と宣言していること、菅井はこの本からそのことを初めて教えられたと感じました。もちろん、「生存権」という言葉は、何十年も前に学校でも、ものの本でも読んで知っていました。自分でも使いました。でも、わかってはいなかった。「何の条件もつけずただ生きること」は権利であるとははっきりと意識していなかった。
 雨宮さんの名前は知っていたし、何かの集会で発言も聞いたことがあったんだけれど、この本は書店でたまたま目にして買いました。
 時期ということがあるけれど、ありがたく読ませていただきます。

 内容については読んでいただくしかないのですが、はてなの「双風亭日乗」というブログの4月12日に紹介されていてよくその意義を伝えているように思います。